ハワイの若大将
1963年(昭和38年)8月11日公開、若大将シリーズ第4弾。
京南大学ヨット部主将の田沼は、湘南にてレースの練習中、プレジャーボートを操船する中里澄子と衝突。中里もワッチがあまく目の前の小形ヨットを避けれず衝突した。
港内での事故で優先権はヨットにあり、責任はプレジャーボートを操船していた中里なのだが、いつの間にか責任は田沼たちに。。。
毎度お人よしのストーリーで何も問題はないのだが、本来はあり得ないことである。さて事故をおこしてヨットは破損、貧乏クラブではなかなか修理代も出てこない。
クルーはマネージャーの江口、部員が足りないのか操船が苦手なマネージャーまでもが練習しなければならなかった。そんななかの事故のため、若大将も責任重大で自腹で何とかしたいのだがそんな金はどこにもない。
父親の久太郎に話しても全く相手にされない。それも当然かもしれない。若大将は久太郎に簡単に5万円貸してくれと言っていた。卒業したら返すと言ってたが、その当時の大学出の公務員の初任給が1万円弱、ひと口に5万円と言うが大変な金額だ。
ヨットの修理代金を稼ぐためにパーティーを企画するがパー券はあまり売れず、青大将が多額の寄付と大量のパー券を購入する。
ヨット部部員でギターが弾けて歌が歌える事はカッコイイけれど、服装は意外と残念。。。エキストラの中にはアイビー的なスタイルは登場する。
ダンスパーティーの後に試験があってカンニングがバレるシーンがあるのだが、学生のスタイルに注目したい。あちこちにボタンダウンシャツが登場する。ボッチのママ風の眼鏡をかけている女学生もアイビー風に見える。
この試験でカンニングがバレて田沼と石山は停学になるが、そんなことはあまり気にせずコンパを始め、そこでまた事件が起きる。
石山が持ってきた筋だらけの馬肉を、おばあちゃんが気を利かせてお得意様にお出しする為の最高級牛肉と交換してしまう。若大将が疑われ久太郎は怒りの頂点、若大将は勘当させられてしまう。
勘当は慣れっこで毎度のことだが、この時代の御仕置言葉の最上級は勘当なのだ。現代では考えられない勘当、親と子の関係はなかなか厳しいルールもあったのだ。
石山はハワイの大学に編入する予定が、やはりそこでもカンニングがばれてハワイの下宿先も出て行き、行方不明になる。
石山の父に頼まれ若大将が連れ戻しにハワイへ行くのだが、タクシーにパスポートと旅費を忘れ紛失、偶然にすみちゃんが働くワイキキのお店で再会する。
たらふくご飯をご馳走になり、夜にワイキキを散歩してウクレレを奏でる若大将。アイビーでも何でもないのだが、なぜかアイビー青年に見えるのが不思議なのだ。
カッコウはアイビースタイルではなくても、髪型がクルーカットだとアイビーに見えるのだろう。
ワイキキで偶然石山を見つける。石山がねぐらにしていた豪華ヨットは、これまたスミちゃんの会社の社長の船だった。
ワイキキのビーチをセーリングする姿は、アイビー少年にはドキドキワクワクなのだ。当時のアイビー少年達は、大学でヨット部に入部してワイキキでウクレレを奏でて彼女を口説きたいと、皆が思ったに違いない。
最終的には日本に戻り、石山と若大将がスキッパーとクルーになってヨットレースに参加して逆転優勝。スミちゃんは一度は若大将と喧嘩して石山が間に入って三角関係のような四角関係なような面倒くさいことになる。
これは毎度のことなのだが、始めはすみちゃんも若大将も一目ぼれ、だけど石山が強引にスミちゃんを好きになり、あいまいではっきりしない若大将とすみちゃんは喧嘩になって別れ、そのすきに石山が登場するが最後はスポーツ大会で優勝して相思相愛になるのだ。
実に馬鹿馬鹿しいストーリーで、小学生でも何作か見ると先が分かるのが、お茶の間映画風で楽しいのだ。
最後は優勝パーティーで、若大将はエレキを演奏して最高なのだ。今回もアイビー風なコーデはほぼ見れなかったが、若大将シリーズはアイビー映画であることは間違いないのだ。
毎回のことだが、きれいな画像でご紹介できないことが残念だ。
次回は「海の若大将」でお会いしましょう。
アロハ~~~~~!